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技術的評価の名を借りた政治的判断

内閣府原子力安全委員会(委員長斑目春樹)は昨日、関西電力大飯原子力発電所が再稼働に問題なしという安全審査(ストレステスト)の結果を正式に認めた。野田政権はこれに基づいて地元 (福井県おおい町) 自治体に再稼働の説得を始める意向とのことだ。

原子力発電に関する判断機構の仕組みを見ると、次の事が前提になっていると思われる:
(1) 原子力発電の安全性判断は主観や政治的意図を排除し、完全に客観的、科学的な検討に基づいて行う。
(2) そのためには高度な専門知識が要求され、専門家でなければ正しい判断は不可能。

だが、前提(1)は幻想に過ぎない。客観的に見れば、地震や災害、あるいは人為的な事故はいつか必ず起こるし、将来何千年にもわたる放射性廃棄物の安全管理など誰にも保証できないから、科学的、客観的に絶対安全を保証するためには、原発はやめるしかないのである。したがって、これを敢えて安全と判断するのは、もはや技術的判断でも科学的判断でもなく、政治的判断である。

前提(2)もまた幻想である。原子力安全委員会は、原子力発電を実施するという前提のもとに置かれている組織である。4月からは原子力規制委員会と名を変えるそうだが、それでも本質は全く変わらない。原子力発電所はやらないと国が決意すれば、規制委員会すら必要ないのだ。

したがって、原子力安全(規制)委員会の結論は初めから「許可」に決っている。彼らには「不許可」の選択はないのである。仮に一時的に不許可でも、いつまでも不許可を通すことはあり得ない。委員の中には速やかに脱原発すべきだという考えを持った人もいるかも知れないが、それが多数派を占めることはあり得ない。必ず賛成派が多数を占めるような委員人事になるだろう。

このように、原子力安全委員会の結論は、高度な専門知識を持った人達による科学的な判断を装った結論だが、彼らには真の科学的な判断は不可能である。実際には科学の名を借りた、一方的な政治的判断であり、原子力安全委員会は国家によるごまかし機構の一つに過ぎない。

こうまでしてなぜ原子力発電にこだわるのか。原発を推進あるいは容認する人のただ一つの理由は経済のために必要、それだけである。彼らとて原発が完全に無害かつ安全で、将来に負の遺産を残すことが全くないなどと思ってはいないだろう。それでも、経済を維持するため、国際競争に負けないためには原発は欠かせないというのだ。だが、彼らの経済とは人間が生きるために必要不可欠な経済ではない。カネが増え、モノに溺れ、不要なモノに囲まれてもなお飽くことを知らない「もっと欲しい経済」だ。

「もっと欲しい経済」がすでに地球の限界を超えており、持続不可能であり、もはや幸福でなく不幸をもたらすものなっていることは科学者でなくてもわかる筈だが、「もっと欲しい経済」こそ人生を幸福にする唯一の道だと信じている彼らは、狂信的宗教に憑かれた信者と変わらない。技術や科学の専門家も、この宗教に捉われている限り、真の科学者技術者ではあり得ない。彼らの判断は専門的知識に基づく科学的判断ではなく、狂信的宗教に基づく政治的判断なのである。
2012年3月23日


  1. 2012/03/24(土) 11:47:36|
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