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専門家の危険な判断

関西電力大飯原子力発電所3,4号機のストレステストの結果、原子力安全委員会は安全と判断したようだ。再稼働の最終的な判断は政府が行うとのことだが、命より経済を優先する野田首相だから、いよいよ再稼働に向かって進む危険性が増してきた。

技術の安全性について、殆どの場合は科学や技術の専門家に判断がゆだねられているが、それは極めて危険である。原子力発電所が事故を起す可能性はほどんどゼロだ、仮に何かあっても二重、三重の安全装置がほどこされているから、大事に至ることは絶対にないと強く言って来たのはほかならぬ専門家である。そして、非専門家が疑問や心配な点を投げかければ、それは取るに足らない素人判断だと無視されてしまう。その結果はご覧の通りである。

原発に限らない。建築物でも同じだ。どんな地震でも絶対に大丈夫だと建築家が太鼓判を押したはずの高速道路が阪神大震災で崩壊した。専門家によって安全性には心配がないとされていた多くの化学物質が、その後危険であることが分かった例も枚挙にいとまがない。

このブログでは、以前に、政治家による安全宣言は不安全宣言と同じだと書いた(2011年6月30日)。自分で実際に確かめたわけでもなく、確かめるだけの知識もない政治家が専門家の一方的な進言をそのまま鵜呑みにして安全だと世間に向かって宣言する。これは素人の安全宣言が信頼を置けないことを書いたものだが、実は、政治家の判断のもとになっている専門家の安全判断がそれ以上に危険なのだ。

我々の生活は高度な技術に囲まれている。その技術はどれも必ず負の側面があり、中には非常に大きな危険を及ぼすものもある。ある技術を受け入れるかどうかは、個人個人の判断であって、仮に専門家が心配ないといっても、受け入れる側には、嫌なものは拒否する権利がある。ところが、安全かどうかの判断には高度な専門的な知識が必要だから、素人が関与すべきでない、という変な論理がまかり通る。

専門家がいくら安全だと判断しても、原子力発電は嫌だと国民が言えば、それを尊重しなければならない。国民の代表である政治家は、原子力安全委員会が如何に安全を主張しても、原発は国民が好まないからやめるべきだと堂々と主張すべきである。専門家の論理に引きずり込まれたら素人の勝ち目はない。

専門家は常に自分の分野を推進する側に立とうとする。だからこそその専門分野に入ったのであり、専門家になった以上、それを推進するのが心意気だと思うのである。それゆえ、どんな技術にも必ず負の側面があるのだが、どうしても専門家は益を過大評価して負を過小評価してしまう。だからこそ、専門家に判断をゆだねることは危険なのである。

専門家の視野がなぜ狭くなるのか。それは、人間を特定の専門分野に特化することが経済効率を上げることになるからである。そのためには、専門バカになる方がよい。こうして専門バカが大量生産されているのが今の社会である。専門バカの最もバカなる由縁は、自分の専門分野を神聖であり、自分にとってはそれが唯一であり、それを推進することが社会にとって有益であると思い込んでしまうことである。

専門バカにならないためには、自分の専門分野に捉われず、常に人間や社会という総合的な、一段上の観点から物事を判断しなければならない。

人間を薬漬けにすることが自分の使命であり、薬学の目的であると思っている医薬品の専門家はいないだろう。逆に、医薬品をなるべく使わずにすませることが彼らの本当の使命と思われる。したがって、世の中を技術で満たすことが技術者の使命ではないのである。余分な技術はできるだけ使わずに済ませることが技術専門家の重要な使命と考えるべきである。
2012年3月14日


  1. 2012/03/14(水) 11:28:20|
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