縮小の時代

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ロシア極東の開発はよい事か

朝日新聞(2月19日)によると、ロシアの極東地区に中国、韓国、北朝鮮系の企業が進出して農場を経営しているそうだ。ロシアの極東連邦管区は日本の17倍に当る膨大な面積(621万km2)に人口が僅か630万人しかない。中国系企業が借りている土地は2009年で347000ha(3470km2)、前年同期比23.8%の増加という。また、韓国系企業が借りている土地も70000ha(700km2)である。

膨大な土地を耕せば食糧生産が増え、今後の人口増や食水準の向上による需要増加にそれなりの対応ができるかも知れない。しかし、このような食糧増産を単純に喜んではいけない。

第一に、中国系にしろ韓国系にしろ、自国あるいは第三国に輸出するための農業生産である。安く大量に生産するためには、必然的に化学肥料、農薬、機械に頼った工業的農業にならざるを得ない。これは土地を疲弊させ、長く続くものではない。ロシア政府は外国に土地を貸すことに積極的だが、ロシア国内には中国系農場が大量の化学肥料や農薬を使ったために土地が痩せてしまい、これは収奪型農業だとの批判もあるという。当然のことだ。

第二に、輸出用食糧の大量生産は、それだけ輸入食料に依存する人が多いということで、輸入国は非常に脆弱な社会となり、ちょっとした状況の変化によって輸入が滞れば大変なことになる。

土地があるからと言って耕せばよいというものではない。なるべく自然のままにしておくのが、地球環境の健康を保つために必要だ。人口増加に応えて食糧増産を続ければ、人口は増加し続ける。それは結局食糧だけでなく水、森林、金属、エネルギーといったあらゆる種類の地球資源の一層の大量消費をもたらし、社会の崩壊を早めるのである。

農地開拓の意味も昔と今ではかなり違って来た。昔は、地元に耕す土地がなく、生きて行けないために新しい土地を開拓した。これは、自分自身がそこで食うための開拓であった。これでも、新しい土地がある限りはどんどん人口が増え、いずれは人間が利用する土地が多くなり過ぎて生態系が壊れ、人間自身増え過ぎた人口を養いきれなって縮小する時がくる。

だが、現代の開拓はそれどころではない。自分では食いきれないほど大量に生産し、輸出して多くの現金を稼ぎ、豊かな物質的生活を送るためである。これは、昔の開拓の何倍もの速さで人口増加、地球破壊、社会の崩壊に向かうことになる。

土地があれば耕すのはよいことだ、利用できる土地はどんどん利用して人口増加や食生活の向上に応えるのはよい事だ、こうして農業に携わる企業が栄えるのはよい事だ、と誰でも思うかも知れない。しかし、その考えが正しくないのである。
2012年2月19日


  1. 2012/02/19(日) 20:08:39|
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