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忘れていませんか― 暫定基準20mSvは1mSv以下に下げる最大限の努力が前提

環境放射線量が1年間積算で20mSvに達する恐れのある区域は「計画的避難区域」に指定されている。これは、ICRP(国際放射線防護委員会)の勧告に基づいて政府が決めた。

福島市や郡山市では1.5μSv程度からあまり下がらなくなっており、このまま行けば平常時の環境基準である年間1mSvの10倍を超える。本来ならあってはいけない水準だが、20mSv以下のため、県をあげての「健康に全く影響がない」「心配するな」のキャンペーン以外は何の特別な措置がとられていない。

これはICRP勧告の精神にも反することが忘れられているか、或いは、意図的に無視されれているようだ。人間の健康を守るという姿勢が全くない。

ICRPは決して原発に厳しいわけではなく、どちらかと言えば原発推進派に近い立場を取っている。そのICRPが、今回の福島事故に関して3月21日付で発表したのが“福島原子力発電所の事故(Fukushima Nuclear Power Plant Accident)”で、一部を引用すると:

“緊急時に一般の人々を防護するためには、委員会は参考レベルを、最も高いところで回避線量が 20-100mSv の範囲になるように国内当局が設定すること、このことを引き続き勧告する”
“放射線源が制御できたとしても、汚染地域は依然残りうる。人々がその地域を放棄することなく住み続けることができるよう、当局が必要なあらゆる防護策を講じることが一般的であろう。その場合は、委員会は1 年間に1-20mSv の範囲の参考レベルを選択し、長期目標として参考レベルを年間 1mSv とすることを引き続き勧告する。”
http://www.u-tokyo-rad.jp/data/fukujap.pdf
英語原文は http://www.scj.go.jp/ja/info/jishin/pdf/t-110405-3e.pdf

ここでは、次のことを言わんとしている:

1. 本来の基準は年間1mSv以下であり、それ以上は健康に影響する可能性があって好ましくない。

2. 20mSvはあくまで緊急時の暫定基準であり、逃れることが出来ない場合に一時的にどうしても許容せざるを得ない最大の水準。

3. 長く住み続けるようにするためには、年間1mSv以下になるように、必要なあらゆる防護策を講じること。

政府も福島県当局も暫定の意味の周知徹底をせず、1を忘れ、3を全く無視している。現時点で1.5μSvはやむを得ず、強制避難が無理なことも理解できる。しかし、毎時0.114μSv (年間1mSv)に下げるために最大限の努力をしなければならない。これがICRP勧告で最も重要な点である。

できることはいくらでもある。例えば、

郡山が既に実施している校庭の土の入れ替えを福島市など他の地域でも行うこと(上下入替えでなく、原発付近の汚染地域に捨てる);

放射線量の高い場所がないかくまなく探し、洗浄できれば洗浄し、除去できれば除去する;

放射線量の高い場所には近づかないように、または長時間近く留まらないように注意を促す;

各自が被曝量を管理できるように、線量計をできるだけ多くの人が持たせる;など。

放射性物質が集まりやすい場所は、雨水、ゴミ、汚泥などが集まるところ、埃が積もって現れないところ、その他いろいろありそうである。

政府も県もこのような努力をせず、逆に20mSv以下なら安全と思わせようとしているのは、暫定基準を勧告したICRPの意図にすら反し、人命軽視もはなはだしい。


福島県では、100mSvでも健康に全く影響がないなどという加減な学者を顧問にして安全宣伝に努めているため、情報源の限られた多くの人達はそれに疑いも抱いていないようだ。

逆に、被曝を最小限にするための努力を呼びかける人を異端視し、自己防衛する人を白い目で見る雰囲気さえ生まれているという。腹立たしく、情けなく、かつ悲しいことだ。
(2011年5月13日)



  1. 2011/05/13(金) 15:01:34|
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