縮小の時代

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一つの時代の終りと新しい時代の始まり



最近の世界の状況を見て、人類の明るい将来に繋がるものはほとんどない。地球環境の破壊、資源の過剰な収奪、経済の閉塞と格差拡大、原発への執着、金融の一人歩き等々。これに対する政策もまたどれもこれも、問題を一層大きくするか一時しのぎかのどちらかで、根本的に問題を解決してくれそうなものは一つもない。日本でも、政治家(屋)がやっていることで、子供や孫が希望を持てるようなことは何一つない。

何をやっても駄目、ろくな政策が出て来ないというのは、一つの時代の終り、末期的な症状である。終りつつある一つの時代とは、産業革命以来250年余り続いて来た、ただただ物質的な豊かさだけを追求してきた経済成長主義の時代である。この方向を変えない限り、いかに有効に見える方策が出ても急場しのぎ以上にはならず、結局はますます深い泥沼に落ち込んでゆくことになるだろう。

地球の資源は速度を増して消耗しつつある。エネルギー需要を増やす一方なのに質の良い化石燃料が残り少なくなったため、原発やオイルサンドなど汚いエネルギー源に群がろうとしている。先進国では必要な物はほぼ行き渡って内需の伸びがなくなったのに、なおかつ経済成長を求めて途上国に物を売り付けるために、経済自由化の名目で資源収奪と格差拡大を世界中に広めている。あるいは、物資的な生産の代りにカネがカネを生むだけの虚構の金融経済に走ってバブル化し、借金で動きが取れなくなっている。

地球の資源容量を超えた浪費生活をしながらなおかつ浪費を増やすことしか考えないのが経済成長主義である。そういう観念に捉われている限り、何をやっても駄目、どんなに革新的な技術が現れても駄目なのは当然で、あらゆる政策がすべて的外れで将来に希望が持てないのも、未だに地球の容量が無限であるという事実から目をそらしているからである。

輝かしい時代も250年はやはり一つの区切りだろうか。人間の知恵の結集、英知の頂点、文明の到達点としてゆるぎないように見えた技術文明も、実はそれほど長く続くものではなかった。最高のものと思って来た技術も、結局は環境の持続可能性、社会の持続可能性を損なうことにしか使われなかった。もちろん、技術は人間の所産である。欠陥は技術そのものにあるのではなく、技術を信仰し、複雑巧妙で人間ばなれした技術を過大評価し、生産性(すなわち資源の大量消費性)という面にしか目がゆかなかった人間の英知の不足、文明の未熟さにある。

約270年続いた江戸時代や中国の清王朝、約200年続いたフランスブルボン王朝も、一時は隆盛を極めたが、やがて産業革命、経済成長の時代という潮流には逆らえず、歴史の幕を閉じた。その最盛期には同じような時代がそのままいつまでも続くと信じた人が大部分だっただろう。終末期になっても、再び勢いを盛り返すことができると信じた人が少なからずいたことだろう。しかし、やがて、同じ時代の延長という夢は幻想に過ぎないことを悟る。

一つの時代の終りということは、新しい時代の始まりである。新しい時代にはまず社会を縮小しなければならない。縮小とは資源消費など人間活動による物理量を持続可能な範囲まで縮小することで、物理量で測れない質的な面の悪化は意味しない。むしろ、これからの社会の質の向上には、肥大し過ぎた物理的な面の縮小が必要なのである。我々が夢見るべきは、経済成長、物欲主義という古い時代精神にしがみつくことではなく、足るを知って地球環境が与えてくれる環境の範囲で分け合って暮らし、一人一人の人間を大切にした、新しい絆の社会である。経済成長主義の継続は自然法則の制約によって不可能だが、絆の社会の創造は物理的な制約がないから、できるかどうかは人間の考え方だけに依存する。人間にはそれだけの知恵があると信じることが未来にかける私の夢であり、楽観である。
2012年1月3日


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  1. 2012/01/03(火) 10:59:51|
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