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放射能汚染食品は流通させた方がよい -小出裕章

京大原子炉実験所の小出さんは、以前からそう言っている。だが、小出さんを高く評価する人達にも、これだけは反対だと言う人が少なくない。牛肉汚染が広がっている最近も、またそれがインターネットで話題になっている(*1)。私自身も、放射能で汚染された食品は、どんなに少ない放射能でも、なるべく食べないでおきたい。しかし、小出さんのこの言葉には、深い意味が込められているように思う。
(*1)ここを参照 http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/569.html

小出さんは、世界が変ったのだという。すべての食品が汚染されてしまった。始めから原発事故をなるべく軽く見たい、汚染の実情をなるべく知られたくない、知りたくない、という意向が生産者側、中央政府、自治体いずれにもあるため、汚染の計測も真面目にされて来なかった。

それが今も続いている。時折、一部の汚染だけが表沙汰になって騒がれるが、一部の食品が汚染されていることは、あらゆる食品が汚染されていることである。しかも、汚染は福島だけに留まらない。かなり遠くの県まで広がっているはずだ。そして、放射能による汚染は、どんなに少なくてもそれなりの危険を伴う。すべての国民がこの汚染から完全に逃れることは、今や不可能なのである。

小出さんは、原発による放射能汚染が、東電や政府や御用学者だけの責任だとは思っていない。長年反原発一筋で苦労してきた小出さんは、力及ばず原発の増加を許して来てしまった自分自身にも責任を感じている。自分の年齢では放射線の被害も少ないから、福島原発の現場作業に協力してもよいとさえ言っているのである。原発を誘致した地元の人達だけでなく、原発の存在を容認して来た人達、更には、小出さんと同じように原発に反対しながらも結局はやめさせることが出来なかった人達まで含めて、すべての国民にそれなりの責任がある、ということなのだ。

つまり、我々は、人類の歴史をつなぐ現在の世代の一人一人として、後の世代に対する責任を負わなければならない。自らの世代が生み出した放射能汚染の被害は、自らの世代が甘んじて受けるより他はない、というのである。だから、当然ながら、危険を甘んじて受けるのは大人だけで、子供には汚染食品を食べさせてはいけない、と小出さんは繰り返している。

もちろん、小出さんはどんな汚染食品も食べよなどと言ってはいない。汚染が激しく危険が明らかな食品まで流通させよと言う意味でもないだろう。肝心なことは、すべての食品について、どれだけ汚染されているかしっかり調べ、その結果を表示して流通させることを前提としていることである。放射能汚染による被害は確率的で、基準以下でも危険はある。だから、最終的には消費者が自分自身で判断するしかない。

すべての食品の汚染を調べて表示することは、不可能ではない。膨大な費用がかかっても、世の中を変えてしまった現代人の社会の責任だから仕方がない。そういう決心をすることが必要だと、小出さんは言っていると思う。小出さんの主張は首尾一貫している。歴史を造りつつある現代人として如何に生きるべきかという深い洞察がある。小出さんの大きさに敬服するのみである。

地球という自然環境の中で歴史を刻んでいる人間としての生き方、という考え方は、すべての問題の基本である。技術も、学問も、経済も、消費生活も、すべては常にここから出発し、ここに帰る必要がある。社会の問題は、個々の問題を個別に考えるだけでは駄目なのだ。

しかし、全食品の汚染表示はすぐには実施されそうもない。実施の意志さえまだ見られず、見られるのは、あわよくば汚染を隠して、あるいは汚染しているかどうかはに触れないで売ろうとする魂胆である。それが却って消費者の不安を増し、農業を始めとした産業復興の足を引っ張ることになるとは考えていないようだ。消費者としては、汚染表示のない食品はなるべく避けるしかない。それが消費者のまっとうな判断ではないだろうか。
2011年7月21日

  1. 2011/07/21(木) 13:21:55|
  2. 原発
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