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縮小の時代

電力使用制限令と節約

7月1日より節電令が始まった。これは経産相が電力事業法第27条に基づいて発令した電力使用制限条例である。第27条は、電気の需給調整が必要な時に経済産業大臣が電力使用制限を発令することができると言うもので、具体的な値(契約500kW以上の事業所、節電率15%など)は、新たに出された経済産業省令(平成23年第28号)、経済産業省告示(平成23年第126号)による。15%とは、契約電力または昨年の使用最大電力の小さい方を0.85倍したものが使用できる上限という意味である。対象となる事業所は経産省から個別に通知される。

初日の昨日は、中には15%に満たなかった企業があったかも知れないが、東電管内は15%、東北電力管内は22%と、目標を達成したらしい。大阪の橋下府知事は、これを原発を再稼働させるための脅しだと反対していたが、もともと日本人は無駄なところに電気を使い過ぎているから、節電自体はよいことである。節電例の対象にならない企業や一般家庭でも、節電への心掛けが高まっている。実際節電して特に困らなければ、原発再稼働が必要だと主張する根拠もなくなってしまう。

日本の電気事業法は、電気事業者は需要に応ずる供給を拒んではならないと規定している(第18条)。つまり、需要があるだけ供給することが義務づけられているのである。この法律があるために、家電業界は製品の大型化、高性能化、新たな電気製品の開発を次々と行って電気の需要をふやし、電力会社は次々と発電所を立てて共に事業を拡大する。電気料金に上乗せする利潤には、電力会社の固有資産に一定の率をかけたものが加えられるから、電力会社は借金しても設備を増やせば増やすほどいやでも儲かる。これが原発を増やした一つの理由になっている。

電気事業法は経済成長に大きく貢献した。しかし、経済成長の時代は過ぎた。エネルギーの需要を増やすための電気事業法は根本から見直す方が良い。これからは、資源やエネルギーの使用を減らすことがより重要になってゆく。もちろん、資源の削減が不平等を生まないように、できるだけ少ない資源をできるだけ公平に分配することが、最大の課題になる。これこそ、人間の知恵の見せ所ではないか。

電気のようなエネルギー産業は利潤重視の私企業ではなく、公営の方がよい。設備規模はむやみに増やさない。電気料金は、例えばY=a+bx2のような、累進性が必要である。少ししか使わない人は現在より安くし、沢山使う人は現在よりかなり高くする。

節約は我慢でも無理でもない。人間は、不平等でさえなければ、どんな境遇でも不満を感じないものである。むしろ、物は少ない方がより幸せを感じる。人間が最も幸せを感じるのは、他の人と互いに思い合い、心が通う時である。古今東西これは変わらないだろう。したがって、それぞれの人が好きなだけ物を使える社会には人間の心の交流は生まれない。それぞれが他人に関係なく勝手に行動できるからである。反対に、物が少なければ、人間は分け合う。分け合う中で心が通い、充実と幸せを感じる。
2011年7月2日


  1. 2011/07/02(土) 14:33:03|
  2. 原発
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