FC2ブログ

縮小の時代

原発の代替は必要ない

脱原発論は、常にその代替となるエネルギーをどうするかと言う問題が伴っており、代替案を示さないで脱原発だけを唱えるのは、ただの無責任な感情論だと言って攻撃される。 代替としては主として現在の火力発電設備で十分だという説、再生可能エネルギーで代替せよという説がある。環境保護に比較的熱心な人は再生可能エネルギーの推進を主張することが多い。原発には消極的な人でも、再生可能エネルギーが普及するまでのまでの「つなぎ」としてならと、原発の継続を認める。

だが、上の代替案はいずれも将来性がない。火力発電による代替は化石燃料の大量消費を続けることだから、資源や温暖化の制約により長くは続かない。太陽光発電、風力発電、バイオマスは全部足しても現在の電力需要の半分も満たせないだろう。太陽光発電や風力発電は火力発電のバックアップを必要とし、化石燃料消費の削減にはあまり結びつかない。したがって、これらが普及するまでのつなぎに原発を使うという説も成り立たない。

原発は、たとえ一時的なつなぎであろうとも、一度造ってしまうと永久に放射性物質を冷却しながら管理し続けなければならない。その間に管理の手抜きや事故は必ず起こるから、一時的な使用だろうが、長期の使用だろうが問題は全く変わらないのである。

原発の代替という問題の設定自体が間違えている。現在の大量エネルギー消費をいつまでも続けさせるだけの代替エネルギーは存在しないし、エネルギーの大量消費をやめない限り、資源あるいは環境問題が行き詰まって社会は困難に陥る。

我々が目指すべきことは、エネルギー総消費量の削減である。持続可能な社会を造るためには、それ以外の道はない。まず、原発は無条件に廃止する。いますぐ世界中の原発廃止を決めてさえ、廃炉や使用済み燃料の完全な処理という、いまだ未解決な大問題がいつまでも残る。

非再生可能な化石燃料は、温暖化の防止と、残存資源の減少が将来の世代の生存権を圧迫しないように、消費量を継続的に下げてゆく。少なくても、なるべく早く現在の半分以下までは目指す必要がある。

太陽光発電も風力発電も、化石燃料節減効果がはっきりしないから(黒である可能性が高い)、固定料金買取などの無理な制度によって急いで普及させることはやめて、もうしばらく自然の流れにまかせて様子を見た方が良い。バイオマスを化石燃料の代替にしようとすれば、食糧生産を圧迫し、瞬く間に全国をハゲ山にする。

これからは「縮小の時代」である。肥大化して不健康になった現在の経済社会から、余分な生産と消費を削り、本格的なダイエットをはからなければならなくなっている。「健全な精神は健全な肉体に宿る」は、個人だけでなく社会にも当てはまる。

政治家は決して縮小を口にしない。産業界は無論の事、有権者からもそっぽを向かれ、政治家の地位を失うと思っているのだろう。しかし、それでは結局、社会を、文化を滅ぼす政治にしかならない。歴史に名を残す政治家にはなれない。経済成長は不要だ、経済成長しなくてもよい社会を造ろう、まずエネルギー消費を大幅に削ろう、という指導者が早く現れるのを待つしかない。それまでは、それを口に出せる人が口に出し、一人でも多く理解者を増やしてゆくしかない。そういう人達が既に少なからず存在することは心強い。
2011年6月23日


  1. 2011/06/23(木) 11:51:00|
  2. 原発
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<原発は無責任の代名詞 | ホーム | ナンバーワンとオンリーワン>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://shitou23.blog.fc2.com/tb.php/49-399692e1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

石田靖彦

Author:石田靖彦

フリーエリア

最新記事

----------

過去の記事一覧

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (15)
環境 (20)
エネルギー (29)
原発 (45)
伝統文化 (0)
科学と技術 (21)
政治 (12)
政治・社会・経済 (48)
文化 (3)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR