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争奪戦というエネルギー安全保障は無意味

エネルギー安全保障はどの国でも最も重要な課題の一つになっている。しかし、そのエネルギー安全保障とは、要するに資源の奪い合いである。

各国がエネルギー安全保障を掲げる主な理由は:
(1)エネルギーの資源量が有限であり、今後の世界的な需要増大が生産力を上回ること;
(2)資源が特定の国々に偏在しているため、産油国の思惑に左右されること。
である。今までの石油危機は理由(2)だけで説明されていた。本当はその底流に理由(1)があったとはずだが、表向きは全く問題にされなかった。しかし、今後は理由(1)が表面化し、それがまた一層理由(2)を大きくするだろう。

経産省の資料(*1)によると、日本の方針は省エネルギー、原子力推進、新エネルギーの推進(太陽光発電、風力発電など)、および石油天然ガスの安定供給確保、クリーン石炭技術などが主な柱になっている。安定供給確保の中では、資源国への投資による自主開発と輸入先の多様化が中心である。
(*1)経産省調査と情報567号「エネルギー安全保障の確立に向けて」国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 567(2007. 3. 5.)

このうち、原子力推進は福島原発事故で見直しを余儀なくされる。太陽光発電や風力発電も、もともと現在のエネルギー需要を満たすだけの能力を持っていないから、いくら推進を図っても、いずれ無理が現れる。省エネルギー技術は総需要を増やすことはあっても、減らすことはない。結局、石油天然ガスの安定供給確保が主力になる。石炭も外国依存という点では変らない。

外国では、Uchida Reportによると(*2)、アメリカは国内供給源への依存度を高めることと安定した市場の形成、EUは供給元であるロシアとの協調の重視、中国やインドは海外油田買収、海外投資、石油資源の囲い込みなどを打ち出しているという。
(*2)Uchida Report 27「世界のエネルギー安全保障」

どの国も外国の資源を重視しているが、世界中の資源の絶対量が足りないのだから、露骨な囲い込みにせよ、市場原理の活用にせよ、資源国との協調にせよ、武力、金力、或いは技術力という力を背景にして自国が多くを取りたいという身勝手な欲張りであることに変りはない。その結果は、今でさえ不平等な資源分配をますます不平等にするだけである。

力のある国が独占しようというエネルギー安全保障政策に世界の平和は訪れない。仮に運よくエネルギーを独占しても末永く続きはしないし、それで生産量を増やして輸出したくても、エネルギーが足りない外国には需要がない。したがって、分捕り合戦に勝ったところで大した意味がないのである。

地球の資源は本来すべての人類(将来の世代も含めて)の共有財産である。これからますます貴重になる世界の資源は、争奪戦より如何に平等に分配するかの方が重要である。現在、そのような問題設定がどの国にも見られないのはまことに残念な気がする。

資源総量の逼迫に対しては、エネルギー需要を少しでも多く削減することが何よりも大切である。それには、技術によるエネルギー効率向上を図るだけでは、却ってエネルギー総消費量が増すだけで効果はない。それより、まず総消費量を確実に減らすための制度を造ることだ。そうすれば、エネルギー効率向上の方法は後からいくらでも付いて来る。
2011年6月14日

  1. 2011/06/14(火) 21:59:21|
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