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縮小の時代

エコなお金の使い方って?

お金の使い方にも、一見、エコな使い方とそうでない使い方があるように思われる。例えば、同じ10万円のお金をガソリンに費やして車を走らせるのは誰が見てもエコとは言わないだろうが、お宝の骨董品でも買って床の間に飾っておけば、何の環境負荷にもならないから、エコな使い方と思われるかも知れない。

だが、それは正しくない。実は、どちらも同じ程度にエコでないのである。なぜなら、お宝を売った人がその代金10万円をガソリン代に使ってしまえば、最初の人がガソリンに使ったのと何の変りもない。

実際は代金が何に使われるかはわからないが、一般的には、一部がガソリンまたはその他の環境負荷を増すものに使われ、残りは直ちには環境負荷にならないことに使われるだろう。こうして、最初の10万円が次々と人手を渡って行く間に、環境負荷になるものに使われた部分が増えてゆき、最終的には、すべてが環境負荷になるものに使われてしまう。

ここで環境負荷になるものとは、基本的には化石燃料である。財やサービスの代金の一部には必ず、その財やサービスを生み出すために使われた化石燃料の費用が含まれる。生産とはエネルギーを使うことなのである。江戸時代のように、化石燃料をほとんど使わなかった時代は、原価のほとんどは労働エネルギーの費用だったが、生産に使われるエネルギーの大部分が化石燃料由来である現在、原価のほとんどは化石燃料の費用なのである。なお、原子力発電の電気料金もまた、その原価はほとんど原子力発電のために使われた化石燃料の費用に由来する。

このように、お金というものは、その用途が何であれ、最終的にはほとんどみな化石燃料の費用に消えてゆくのである。つまり、お金は使うこと自体が環境に負担をかける。エコなお金の使い方というのはないのである。このことは、フレデリック=ソディ―が「お金は環境にとって負債である」と言ったことに符合する。

エネルギーを使うということは、自然に人為的な変化を起こさせることだから、エネルギー資源の消費以外にも、必ず環境に負担をかける。

このことから、「環境にやさしい」とか「エコ」などの形容詞をつけて売られる製品は、初期費用と運転費の合計が従来より安いのなら、本当に環境負担の軽減になるかも知れないが、従来より高くなる製品は、むしろ、環境負担を増やしている可能性の方が大きい。「高くても環境によい」は、特にエネルギー消費に関する製品には、あり得ないと考えた方が良い。高くなったのにエネルギー消費が少ないと言われていることこそ、根拠が疑わしい「風評」である。
2011年6月4日


  1. 2011/06/04(土) 09:44:20|
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