FC2ブログ

縮小の時代

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

リニア鉄道建設は世紀の愚

大畠国土交通相は27日、JR東海にリニア中央新幹線の建設を指示した。計画では、東京から名古屋までは40分、大阪までは67分となり、2014年に着工、2027年に東京名古屋間、2045年に東京大阪間の開業だそうである。新幹線が20世紀後半を代表する大事業であったように、リニア鉄道は21世紀前半を代表する大事業のつもりだろう。

だが、今の新幹線「のぞみ」でも東京名古屋は104分、東京大阪は157分である。膨大なエネルギを費やして名古屋までの時間を約1時間、大阪までの時間を約1時間半縮めたところで、それがどれだけ人間の幸福を増すことになるだろうか。

建設費は505kmで9兆300億円(車両含む)。東海道新幹線は525kmで3800億円だった。新幹線は、東京大阪間を6時間から3時間に半減して3時間を短縮させたのに対し、リニア鉄道による時間短縮は1時間半。つまり、新幹線は3800億円かけて3時間を短縮させたが、リニア鉄道は1時間半の短縮に9兆300億円かかる。何という効率の悪さ。

同じ量だけ性能を上げるために必要な経費は、性能が上がるにしたがって増大する。逆に言えば、性能が向上すればすれほど、それ以上の性能向上にかかる費用は増大する。これは、いろいろな事に見られる、コスト効果逓減の法則である。

もともと、今の新幹線でさえも、不必要な速さである。高速化によって労働が強化されたが賃金は増えない。本線の高速化の影に、地方線は見捨てられ、不便になる一方である。動脈だけ太くして毛細血管を切ってしまうようなものだ。

高速主義は、列車の楽しみも奪う。「のぞみ」などで使われているN700系と言われる電車は、窓が飛行機のように小さいので、通路側に座ると著しく視界が悪い。旧型からほんの僅かな時間短縮のために、景色を犠牲にした。トンネルばかりのリニア鉄道は地下鉄のようなもので、乗る楽しみなどほとんどないだろう。

高速リニア鉄道の計画は、生産と消費が今後50年も100年も増加し続け、人口もますます都市集中することを前提としている。しかも、新幹線と建設投資を比べれば、新幹線以上の経済刺激効果がなければならない。もちろんそれには、安くて大量のエネルギーの供給がいつまでも続くことが前提である。

しかし、安価なエネルギーを使いたいだけ使える時代はまもなく終る。エネルギーの供給が減り、エネルギー価格が高騰することは確実である。そうすれば、経済も縮小し、物流や往来の需要は減る。リニア鉄道の建設は開通前に中止になるか、開通してもお荷物にしかならないだろう。
2011年5月28日


  1. 2011/05/28(土) 22:41:32|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<脱経済成長は簡単にできる | ホーム | 学問すること>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://shitou23.blog.fc2.com/tb.php/26-47d0a4c2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

石田靖彦

Author:石田靖彦

フリーエリア

最新記事

----------

過去の記事一覧

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (15)
環境 (20)
エネルギー (29)
原発 (45)
伝統文化 (0)
科学と技術 (21)
政治 (12)
政治・社会・経済 (48)
文化 (3)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。