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縮小の時代

借金行政は金持ちと大企業のため

安部政権は8月2日の閣議で、国債を増発して28兆円の経済対策をする決定をした。28兆円は、今年度の税収見込み57.6兆円の半分にも達する巨大な額である。政府の債務残高は今年3月末時点で1075兆円(うち国債955兆円、国庫短期証券120兆円)に上る[1]。政府資産が570兆円あるから、正味の借金は430兆円に過ぎないとも言われるが、それでも税収の7倍以上になる。[1]財務省、「国債等の保有者別内訳(速報)」

外国と違って日本政府の借金はほとんど国内からの借金だから、ギリシャのようになる心配はないという説もあるが、借金は返さなければならない。今年度予算では国債費、すなわち国債の返済と利子の支払いのために必要な額が23.6兆円となっている。これはなんと、税収の41%にも達する。庶民が苦労して納めた税金の半分に近い41%が借金返済に使われるのである。したがって、政府は、借金を返すために毎年新たな借金をしているとも言える。

政府に金を貸しているのは金融機関である。その金融機関に金を預けているのは、一般市民のなけなしの貯金や年金基金などもあるが、大部分は大企業や金持ちだ。したがて、政府予算の国債費は、これらの大企業や金持ちに支払われていることになる。税収の半分が大企業や金持ちに直接還元されているのである。

増税は一般庶民だけでなく、大企業や金持ちにも均等に来る。しかし、増税する代わりに金持ちから借金すれば、金持ちは、政府に貸した金の元金が保証される上に利子が来る。金持ちにとっては、増税より政府の借金の方が遥かに有難いのである。

一方、一般庶民は、国債費の還元がゼロではなくても、極めて僅かに過ぎない。それより、せっかく納めた税金が金持ちへの借金返済に回されることによる損失の方が大きい。更に、政府は税収が少なく、借金が多いことを理由に、福祉や教育をはじめ、庶民にとって大切な部門の予算をどんどん削っている。このような庶民へのサービスの低下も、借金行政による庶民の損失である。

国の借金で危機に陥ったギリシャでは、債権者である外国から倹約政策を強いられているのに対し、ギリシャ国民が強く反対している。倹約政策とは、結局のところ、庶民への福祉とサービスの低下である。庶民の犠牲の上に金持ちを保護するための倹約政策に庶民が反対するのは当然である。

以上のように、国の借金は、一般庶民から大企業や金持ちに金が流れるカラクリの一つであって、国がいつまでも借金をし続け、金持ちや大企業もそれに反対しないのはそのためだ。政府は、常に財源不足を理由に、消費増税や福祉・教育予算の削減や多額の借金を続けているが、その一方で企業減税をしている上に、無駄な支出が非常に多い。高速増殖炉や核融合を初めとした科学研究費、箱物行政、外国への支援、オリンピックなどなど。これらの大部分は、結局は大企業や金持ちを利するだけで、庶民のためにはなっていない。■
2016年8月4日
  1. 2016/08/04(木) 10:42:40|
  2. 政治・社会・経済
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