縮小の時代

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政府に秘密は要らない

特定秘密保護法案が参議院の委員会で強行可決された。自民党が強硬に審議を打ち切ったという。まだ本会議での最終可決には至っていないものの、法案の趣旨にせよ、審議のやり方にせよ、民主主義から遠ざかるばかりで、いよいよ日本も末期的な症状を見せて来た。政府の暴走とそれによる社会の破綻、そして全国民が蒙る辛苦という未来が増々はっきりとしてきた。

秘密とは、個人または仲間の内部情報を外部の者に隠しておくことである。したがって、仲間同士で隠すべきではない。仲間内の情報を隠された者はもはや仲間ではない。逆に言えば、仲間とは情報を共有する者同士ということである。

国家は国民全部が仲間であるから、国家としての情報はすべて仲間である国民の共有でなければならない。国家としての情報に接することを禁じられた者は仲間すなわち国民とは見なされないことになる。国民の代表機関として国民に養われている政府が情報を国民に隠すということは国民に対する裏切りであり、ましてや、情報が国民に知られたからといって、知った国民を罰するなどは、とんでもないことである。

国民に対して秘密にするのは、国民と言う仲間が多過ぎるために仲間だけの秘密を保つことが不可能で、必ず外部(外国)に知られてしまうから、および、同じ仲間によるテロ行為を防ぐためという理由からだろう。今回の秘密保護法案に反対する人達の中にも、国防、外交、テロ防止に関する秘密は「国益」のために必要と考えている人が多いのではないだろうか。しかし、いずれの場合も、秘密にすることが本当に国益になっているのかは大いに疑わしい。むしろ、国益は、政府が仲間である国民から情報を隠すための口実に過ぎないのではないだろうか。

まず、外交の秘密とは、国同士が交渉内容を共有しなければ交渉は成り立たないから、いずれの国も交渉相手国に対する秘密ではなく、明らかに自国民に対する秘密である。駆け引きから最大の国益を引き出すために交渉の経過を秘密にする、というのが彼らの言い分であり、一般常識であろう。しかし、国と国との交渉に駆け引きは本当に必要だろうか。駆け引きによって本当に国益が得られるのだろうか。駆け引きとは言いくるめること、相手の油断に乗ずること、騙すことである。そんな交渉で得た国益は、他方の国には国益にならない。これでは両国民が真なる信頼と友好の関係を保つことはできない。外交が本当に双方の国民にとっての益を目指すものなら、公開で行うのが当然である。

外交交渉の経過をそれぞれの国民に公開することで都合が悪いのは、いずれの国民でもなく、双方の政府であって、それぞれ国民に対する特権が失われるからではないだろうか。重要な外交であればあるほど、双方の国民生活に直結する。平和もTPPも環境保護もみな然りである。特権意識の強い政府が恐れるのは、交渉内容を知った双方の良識ある国民が連携して政府の独断専制に抗議することではないだろうか。戦後行われてきた一連の日米外交のほとんどは秘密にされたままだが、その秘密は広範な日本国民にとっては益よりも害になっている方が大きいのではないか。

テロ防止は、何でも秘密にしたい政府にとっては、非常に都合の良い口実である。テロと通常の事件との区別は曖昧で、政府は何でもテロに結び付けたがるが、本当のテロが起るのは、理不尽が多く言論が通じない場合である。 政府の政策が真に民主的な手続きを踏み、広範囲な国民のためになるものなら、テロなどそれほど心配する必要はない。仮にテロらしい行為があったとしても、大規模な行動にはなり得ず、通常の刑事事件の範囲で対処できるだろう。

テロ防止のための情報秘匿は、却ってテロを誘発する。政府はちょっとした事件をテロに結び付け、強権をふるい、秘密を強化したがる。それがますます民主主義から遠ざかり、国民に絶望感を植え付け、テロを誘発するのである。テロ防止は秘密主義よりも民主、情報公開の方がはるかに効果的であり根本的ではないだろうか。

防衛に関しても、秘密の必要性は疑わしい。政府や防衛関係者の本音は、外国に対する秘密より、国民に対して秘密にすることで、それによって防衛予算を勝手に増やし、意のままに使うことができるからではないだろうか。外国から武器を買ったり、外国と共同演習することが、軍事に関する外国への秘密がそれほど重要でないことを表している。

軍事力の詳細を秘密にすることが、外国からの武力行使の抑止力になっているだろうか。ある国の軍事力を詳細に知ることが、その国への武力行使を促すことになるだろうか。いずれも否である。軍事力の詳細を知られることが国の平和存立に大きく関わるのなら、地球上は弱肉強食だけの世界で、100数十か国もの小国家が存在しているはずはない。軍事力と言えるほどの軍備を持たない国も多い。小さな国には小さな軍事力という現実は、軍事力は外国への備えではなく、政府が国民を制圧するための備えであることを示している。

以上のように、国家の秘密保護とは、ほとんどは国益を口実とした政府の特権保護に過ぎず、国民にとっては益より害の方が大きい。いかなる情報であれ、国の情報を国民に秘密にすることが、国民にとって本当にどれだけ良いのか、もっともっと詳細に検討すべきであり、このような議論が広がってしかるべきである。
2013年12月6日


  1. 2013/12/06(金) 10:56:39|
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御礼

つい最近、エネルギーの問題について考えるためにネットサーフィンをしていたところ、ブログを拝見しまして、いろいろな問題について僕とほぼおんなじようなことを考えておられる方がいることに驚きました。そこで、あえてコメント致しました(知らない方のブログにコメントなんかしたことないんですが)。
 圧倒的な少数派であることは自認していましたので(別に構いませんが)、これはかなり寄寓なできごとだと感じています。
 浅学非才の若輩者(と、言えるほど若くは無くなりつつあるのが寂しいです。若輩者と言えなくなったらただの浅学非才ですから)ですが、先生(と今日から呼ばせて頂きます)のブログ更新、これからも楽しみにしています。
松本
  1. 2013/12/20(金) 13:47:33 |
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  3. 松本航平 #-
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Re: 御礼

> つい最近、エネルギーの問題について考えるためにネットサーフィンをしていたところ、ブログを拝見しまして、いろいろな問題について僕とほぼおんなじようなことを考えておられる方がいることに驚きました。そこで、あえてコメント致しました(知らない方のブログにコメントなんかしたことないんですが)。
>  圧倒的な少数派であることは自認していましたので(別に構いませんが)、これはかなり寄寓なできごとだと感じています。
>  浅学非才の若輩者(と、言えるほど若くは無くなりつつあるのが寂しいです。若輩者と言えなくなったらただの浅学非才ですから)ですが、先生(と今日から呼ばせて頂きます)のブログ更新、これからも楽しみにしています。
> 松本
  1. 2014/02/11(火) 21:27:23 |
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  3. 石田靖彦 #-
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