縮小の時代

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

シェールオイル採掘技術開発の意味

秋田県でシェールオイルの採取に成功し、石油資源開発(株)が来年度にも試験生産を始めるという。新聞報道は、埋蔵量は推定500万バレルと少なく、日本のエネルギー需給にはあまり影響しないだろうと言いつつも、好意的に報道している。

シェールオイルやシェールガスは、頁岩(けつがん)という岩石の中に浸み込んでいるため、現在の石油や天然ガスより採掘が困難であり、採掘のためにはより多くのエネルギーを要し、周辺の環境汚染が非常に大きいという問題がある。しかし、現在の石油や天然ガスと比べてもかなり大量の資源があるとして将来を有望視されており、東京新聞10月19日の社説は、日本はシェールオイルやシェールガスを海外で共同開発するために、秋田の試掘を契機に採掘技術を磨くべきだと述べている。

だが、採掘技術を磨いて新しい化石燃料資源を獲得するとは、どういう事だろうか。こんな想像をして頂きたい:

昔、ある国家があって、金属の装飾品生産や贅沢な暖房、料理のエネルギー源として大量の樹木を必要とした。近くの森が乏しくなると、より遠くまで木を切りに行かなければならなくなった。遠くなるにつれて運搬に時間がかかるので、運べる樹木の量が減少していった。そこで人々は高速運搬技術を開発し、より遠くの森林の伐採が可能になった。その後も運搬技術の改良を重ね、伐採できる森林の範囲は年々拡大していった。同じことを行っているのは、この国家だけではなく、他の国家もみなそうだった・・・。

これを続けていったらどうなるだろうか。結末は見えており、現代人のほとんどは、この行為を愚かだと思うに違いない。

しかし、化石燃料の採掘技術を開発して採掘できる資源の範囲を広げてゆく、という現在の行為も、これと全く同じなのである。シェールオイルやシェールガスの埋蔵量が如何に多くても、一人の人間の一生にもならない短期間のうちに限界が来てしまうに違いない。現在の石炭、石油や天然ガスが使われ始めた頃も、埋蔵資源量がいつまで持つかなどは、一般にはほとんど問題にされなかったと思われる(ジェボンスJevonsが1865年出版の「石炭問題」で石炭資源の資源枯渇を論じていたが)。米櫃に一杯の米は、毎日少しずつ食べてもいつまでも減らないように見えるが、減り始めると非常に速く減ってしまう。貯金もそうだ。同様なことを実感した経験がある人は多いだろうと思う。

シェールガスもシェールオイルも採掘に必要なエネルギーが多いということは、同じ1バレルでも、有効に使えるエネルギーは現在の石油の1バレルよりずっと少ない、言い換えれば、同じ埋蔵量でエネルギー含有量が現在の石油より小さい。シェールガスでも同じである。

現代の人間は、幸福とも人間の質とも何も関係のない、ただ物質的な豊かさ、経済生産の増加のためだけに、一つの資源を掘り尽くしては別の資源を探し、その資源がなくなればまた別の資源を捜すという行為を続けている。エネルギーだけでなく、金属資源でも同様である。この愚かさに早く気付く必要がある。いかに採掘技術が進歩しても、それは、それまでは取り残して来た資源を搾り取って採掘量を増やすというだけで、愚かな行為の拡張でしかない。上述の例で言えば、新しい運搬技術を用いなければ、森林の枯渇は近辺だけですみ、過剰なエネルギー浪費という愚により早く気が付いて生活の仕方を変えようとしたかも知れない。
2012年10月21日

  1. 2012/10/21(日) 13:19:27|
  2. エネルギー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<経済や企業の拡大は弱体化につながる | ホーム | 騒ぎ過ぎのノーベル賞>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://shitou23.blog.fc2.com/tb.php/125-412d4f4c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

石田靖彦

Author:石田靖彦

フリーエリア

最新記事

----------

過去の記事一覧

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (15)
環境 (20)
エネルギー (29)
原発 (45)
伝統文化 (0)
科学と技術 (21)
政治 (12)
政治・社会・経済 (48)
文化 (3)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。