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縮小の時代

日本はまたしてもドイツの反面教師になるのか

第二次大戦の後始末については、日本は常にドイツと比較されて来た。ナチスの悪行を徹底的に反省し、その痕跡を一掃したドイツとは反対に、日本は戦争責任の追及も反省もいい加減に済ませて来た。

ドイツからも日本からも侵略を受けた中国が、ドイツに対してはあまり恨みを引きずっている様子がないのに、日本に対してだけはいまだに毛嫌いする民衆が多いのも、ドイツと日本の戦後処理の違いが大きな理由に挙げられている。中国や韓国朝鮮には近親憎悪や同じ極東の東洋人による戦略という、欧米に対するのとは違う感情も手伝っているのは否定できないが、それにしても、戦争責任をなるべく回避しようとする日本の態度は、中国人や韓国朝鮮人の反日感情をいやが上にも掻き立てる大きな理由になっている。

国内でも同じで、「一億総ざんげ」、「平和を願う」という情緒だけで、戦争を起こした人達や軍国主義の提灯を持ったマスコミに対する追及はあいまいのままである。岸信介など戦犯の亡霊のような人物さえ首相になった。軍国主義を鼓舞するような言論がいまだにあとを絶たない。

福島原発事故後の日本全体の動きも、これと全く同じである。政府、財界、学会からマスコミに至るまで、事故の責任をなるべく曖昧にし、脱原発論が広がるのを防ぎ、原発に群がる一致部の人達の利権を守ることのみに汲々としている。国民には放射能の危険性を教育し、原発のような危険なものに安易に依存しようとしてきたことへの反省を促す代わりに、「災害に負けない」、「頑張ろう」などという情緒を掻き立てることによって原発の本質から目を背けさせようとする。

この日本とは反対に、ドイツのメルケル首相は、いままでは原発容認派であったにもかかわらず、福島の事故を知ってその態度を180度転換して、脱原発に踏み切った。これにはもちろん、ドイツ国民の大きな支持があるからである。事故の被害を直接受けながらも未だに反省がない日本と、遠い国の事故を大きな教訓として今までの方針を徹底的に反省して方向転換を図ったドイツとの違いは、軍国主義と戦争責任に対する態度の違いと全く変わらない。

日本は再びドイツ人と比較されることになろう。ドイツ人は知性の高い、全人類に対する責任感を持った高度な文明人として尊敬される一方で、日本人は何の反省もできない、程度の低い人間として見下げられる。この「日本人の程度の低さ」は、日本が技術や経済で世界からの注目を集めれば集めるほど、一層目立つようになるだろう。かれらはなりふり構わず利益だけを追及する人間だと。

日本は再びドイツの反面教師になろうとしている。同じことを繰り返すのは日本人としてあまりにも情けない、恥ずかしい思いがする。教養ある外国人と堂々と胸を張って話すことさえ躊躇したくなるほどだ。日本人の優秀さ、日本人の文明の高さ世界に示したいのなら、日本は率先して世界中の尊敬の的になるような行動を取るべきである。尊敬される国とは、巧妙な技術に長けた国でも経済力の強い国でもなく、人類にとって真に正しいと思われることを思い切って実施する国である。原発に対するこれまでの態度、原発という危険なものに依存してきた生活態度や社会経済を深く反省し、直ちに脱原発を決意して全世界に模範を示したいものだ。
2012年3月25日

  1. 2012/03/25(日) 10:43:21|
  2. 原発
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