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縮小の時代

公営の200年住宅

大震災で自宅を流されたり破壊されたりした人が非常に多い。家を失ってもローンは残る。政府から補助が出ても、買い替える額にはとても及ばない。ローンが残っている人はこれから長い間二重の苦しみを背負うことになる。

政府は戦後ずっと持ち屋政策を推進して来た。高度成長時代は住宅も土地も価格上昇が続くので、借金しても早めに住宅を買った方が有利な面もあった。実際、住宅産業は経済成長の大きな原動力でもあった。

しかし、借金することを当前とした社会は、不断の経済成長を当然とした社会であり、エネルギーや地球環境の制限からいずれ必ず行き詰まる。したがって、本来は高額な物でも借金せず貯めてから買うのが健全な買い方である。ところが、住宅は他の耐久消費財と違って、貯金が貯まるまで待てないから、どうしても借金に頼らざるを得ない。縮小経済、定常経済の時代になる今後には大きな矛盾である。

また、個人の住宅所有は、次のようなリスクを伴っている:
・災害による損壊;
・住宅に適していない土地の欠陥が後で判明した;
・買った住宅が欠陥住宅だった;
・失業、不景気、病気などでローンが払えなくなり、売っても借金が残る;
・転勤によって自宅に住めなくなった;
・隣近所の住人から多大な迷惑をこうむる。

これらのことがあると、住宅所有者はほとんど泣き寝入りになる。欠陥住宅などでも、ローンを貸した銀行は被害を分担してくれないし、保険ではどうにもならない場合が多い。つまり、住宅のような高額な買い物、しかも人間の生活にとって最も重要な買い物が、その高いリスクはすべて個人に押し付けられているのである。

また、個人や企業が勝手に住宅を建てることには、次のような社会的な問題も起こる:
・大きさもデザインもバラバラで街の景観を損なう;
・耐久性が悪く、資源を浪費する;

住宅は自分の財産になると考えるのも、購入の大きな動機になっている。しかし、経済成長の余地も必要もなくなる今後は土地価格も上昇せず、その上住宅の老朽化のため、実際には大した財産にはならない。

これらの事を考えると、住宅は個人所有よりも、公営賃貸住宅の方が優れている。それも、高品質で200年以上の耐久性がある住宅がよい。公営200年住宅の利点は:

・家賃を安くできる;
・住宅に困る人がなくなる;
・資源の節約が大きい;
・何かあっても移動が簡単;
・無借金の健全な家計になる;
・街の景観や土地利用が計画的にできる;

従来の公営住宅は、主として住宅を買えない低所得者や一時的に住む人を対象にしたものだった。現在のUR都市機構は、良質な住宅の供給を目的とした旧住宅公団を引き継いだものではあるが、上述のような理念は見えず、政府もあまり力を入れてはいない。

昔の農業社会のように、同じ土地に結びついて家族代々住む時代は、個人の住宅所有でも良かったが、現代は、公営の200年賃貸住宅が、社会にとっても個人にとっても有利である。
2011年6月6日


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  1. 2011/06/06(月) 12:39:37|
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